Tuesday, July 12, 2016

人生初ティファニー

やっと会社からもらったティファニーのギフト券使った。
早いとこ使わないと、いつか無くしそうだったわ。
そんなショッキングな事になる前に使っておかなければ、と店に行った。
アタシの人生初ティファニーの買い物。
どうしても何か買わないといけない、というこのギフト券の存在。
バブル期のティファニーブームの時には 完全に毛嫌いしていたが、今はそんな狂った騒ぎも無く、まあ、一個ぐらいなんか持っててもいいか、という気分になった。

店に入ると、やっぱしカップルや、観光客っぽい人達、あと成金ぽく、こういうブランド物ばっかり買いあさっているような人達がいた。なんかTypicalな光景。
ショーケースを覗いていると、お店の人が飲み物をオファーしてくれた。「シャンパン」という名前は出てこなかったので、お水を貰うことにした。ボトルのお水を飲みながらショーケースの周りをゆっくり歩く。店員のお姉さんもゆっくり付いてくる。
$250という金額で ティファニーでいったい何が買えるのか。
まあ、シルバーアクセサリーしかないでしょ。
でも今さら昔大流行りしたデザインは買いたくない。でも せっかくならちょっと「それティファニーちゃうけ?」と微かに思われるくらいのデザインがいい、なんて思ってた。

で、選んだのがこの「スターフィッシュ」。
チェーンが長かったので、チョーカーぐらいの短さに直してもらえるか、と聞いたら、無料でNYに送って直し、無料でお宅まで郵送します、というではないか。
おお、それはなかなかのサービスね。
でもこれ$235。残りの$15どうしたらいいのよ。ティファニーでは物凄い中途半端な残額。この$15を使う為に、また自腹で$200ー$300追加しなかればいけない事態になるではないか。この私の胸中をお姉さんに伝えると、$15くらいなら現金でお返ししますよ、と言う。決まり。現金の御釣り$15にやられた。

そして昨日、修理を終えたネックレスが届いた。



かわいいよ。どこか品があって、さりげなくって、いいよ。
でも手に取ると、これが、このシルバーが $235かい、、、って思ってしまう。
プラダのナイロンのバッグに相当する、不可解な商品バリュー。
「ブランド力」って恐ろしいね。

まあ、せっかくの贈り物なんで、大事に付けていきますわ。

アタシが付けているのを見たら、それティファニー?って聞いてね。





Sunday, July 3, 2016

Bill Cunnigham

Bill Cunninghamが亡くなったニュースを聞いてから、2010年に観た彼のドキュメンタリーを思い出した。ファッションが大好きで、ニューヨークのストリートで40年間、ファッションを撮り続けた。彼は有名人とか、モデルとか、ブランドとか、そういうレッテルには全く興味なく、ただ自分の目で見て、Billl曰く「Stunners」であると目に留まった人々を撮った。それらの多くの人々はファッションが好きな普通の人々。後から見たり、人から言われて、J.F.K Jr.夫妻だったとか、有名な女優だったとか、気が付く始末。Vogueの敏腕編集長のAnna Wintourも彼女が大物になる以前から すでにBillに写真を撮られ続けていた。
私は自分も写真が好きだし、ファッションが好きだから、彼のドキュメンタリーフィルムが上映された時、彼の事知らなかったけど、凄く興味が沸いて観に行った。
「Bill Cunningham New York」2010年。
とっても印象深いドキュメンタリーだった。撮影された時のBillはほとんど80歳近くになっていたはず。毎日自転車に乗ってNYの街に繰り出す。街角に立ち、行き交う人々を観察する。「Stunners」を見つけると、素早くシャッターを切る。そのフレームに収まった人達のファッションは生き生きとしていて、何か強い物を発信していた。

6月25日 87歳で亡くなった。ニュースの記事には、近年身体が弱ってきているのは見て取れたが、Billはこの春もオフィスに来て、次の号に載せる写真を選んでいたあった。
本当に死ぬまで、自分の好きな事、Happyだと思える事をやった人だった。

私はまたあのドキュメンタリーを観たいと思った。
前に上映したLiving Room Theaterが上映するんじゃないか、上映してほしい、と思っていた。すると本当にTributeで上映しているのがわかった。さすが、Living Room Theater。
それで 上映最終日の30日に 観に行って来た。

30日はBillのお葬式の日だったというのが後でわかった。
なんか私、Remoteで彼のお葬式に行って来たような気がした。

ドキュメンタリーの中で、「出版社から送られてきた小切手を破るのよBillは」と、昔のエピソードを語る人がいた。「報酬の小切手を破る」「Billに切った小切手がオフィスで溜まっている」。Billは お金が最も安価な物である、と言う。ファッションを撮る事は 自分が一番大好きな事。お金を貰うと、報酬の事を考えると、自分が100%のコントロールを持つ事ができなくなる。そんなバカげた事はない、と言う。

ここまで自分が好きな仕事を見つけられるって、スゴイと思う。私もそういう生き方をしたい、そういうパッションを持った仕事をしたい、といつも思っていながらそれが見つけられていない、出来ていない、というところで、よけにBill Cunninghamに興味を惹かれるんだと思う。

87歳という年齢で亡くなる最後まで、自分の大好きな仕事をし続けた人。

彼の作品の素晴らしさと共に、彼の人間性、在り方は、私の心にずっと残っていくだろうな、と思う。