Sunday, July 3, 2016

Bill Cunnigham

Bill Cunninghamが亡くなったニュースを聞いてから、2010年に観た彼のドキュメンタリーを思い出した。ファッションが大好きで、ニューヨークのストリートで40年間、ファッションを撮り続けた。彼は有名人とか、モデルとか、ブランドとか、そういうレッテルには全く興味なく、ただ自分の目で見て、Billl曰く「Stunners」であると目に留まった人々を撮った。それらの多くの人々はファッションが好きな普通の人々。後から見たり、人から言われて、J.F.K Jr.夫妻だったとか、有名な女優だったとか、気が付く始末。Vogueの敏腕編集長のAnna Wintourも彼女が大物になる以前から すでにBillに写真を撮られ続けていた。
私は自分も写真が好きだし、ファッションが好きだから、彼のドキュメンタリーフィルムが上映された時、彼の事知らなかったけど、凄く興味が沸いて観に行った。
「Bill Cunningham New York」2010年。
とっても印象深いドキュメンタリーだった。撮影された時のBillはほとんど80歳近くになっていたはず。毎日自転車に乗ってNYの街に繰り出す。街角に立ち、行き交う人々を観察する。「Stunners」を見つけると、素早くシャッターを切る。そのフレームに収まった人達のファッションは生き生きとしていて、何か強い物を発信していた。

6月25日 87歳で亡くなった。ニュースの記事には、近年身体が弱ってきているのは見て取れたが、Billはこの春もオフィスに来て、次の号に載せる写真を選んでいたあった。
本当に死ぬまで、自分の好きな事、Happyだと思える事をやった人だった。

私はまたあのドキュメンタリーを観たいと思った。
前に上映したLiving Room Theaterが上映するんじゃないか、上映してほしい、と思っていた。すると本当にTributeで上映しているのがわかった。さすが、Living Room Theater。
それで 上映最終日の30日に 観に行って来た。

30日はBillのお葬式の日だったというのが後でわかった。
なんか私、Remoteで彼のお葬式に行って来たような気がした。

ドキュメンタリーの中で、「出版社から送られてきた小切手を破るのよBillは」と、昔のエピソードを語る人がいた。「報酬の小切手を破る」「Billに切った小切手がオフィスで溜まっている」。Billは お金が最も安価な物である、と言う。ファッションを撮る事は 自分が一番大好きな事。お金を貰うと、報酬の事を考えると、自分が100%のコントロールを持つ事ができなくなる。そんなバカげた事はない、と言う。

ここまで自分が好きな仕事を見つけられるって、スゴイと思う。私もそういう生き方をしたい、そういうパッションを持った仕事をしたい、といつも思っていながらそれが見つけられていない、出来ていない、というところで、よけにBill Cunninghamに興味を惹かれるんだと思う。

87歳という年齢で亡くなる最後まで、自分の大好きな仕事をし続けた人。

彼の作品の素晴らしさと共に、彼の人間性、在り方は、私の心にずっと残っていくだろうな、と思う。




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