3週間ほど前、撮影中、スタッフの車に乗せていたMr. Hubbyの器材が盗まれた。
ガラスをぶち壊し、トランクまで開け、車の持ち主の物も含め、様々な物が盗まれた。
Mr. Hubbyの盗まれた物は 主にカメラのレンズとそのレンズ用アダプター。仕事の為の「投資」と結構張り切って買ったレンズたち。そしてそれらをカメラに接続するアダプター。このメインの商売道具がごっぞり盗まれた、、、。
それを聞いたアタシは、怒りというよりも、何とも言えない落胆と苛立ちとはがゆさを感じた。Poor guy....。 ではあるが、口を開けると 被害者であるMr. Hubbyにそのフラストレーションをぶつけそうだった。
どんなに正当に生きていても、どんなにがんばって仕事をしていても、こんな事が起こる。ある日、突然、予期せずに、、、。
スローではあるが、しっかり前に進み、ビジネスを軌道に乗せて行こうと、ここ数年頑張っているのに、襟足を掴まれスタート地点に引きづり戻されてたような事件。
アタシ達はいつになったら こんな災難の起こらない、平和で ゆとりをかませる生活を送れるようになるのさ!
そういう意味での落胆と苛立ちとはがゆさ。
言葉にすると、怒りになるのは間違いなかった。だからあえて何も言わなかった。
というよりも、言葉が出てこなかった、、、。
失った仕事道具は、また一から ひとつひとつ買いなおしていくしかない。
時間と余分なお金はかかるが、コツコツとスタートし直すしかない。
その事件を忘れようとして数週間、ある日 Mr. Hubbyが私に一つのカードを見せた。
そのカードの表紙には盗人が車のカギをこじ開けようとしているイラストが描かれていた。「What is this?!!」
「Open it!」
No clue状態でカードを開くと、そこには 雨のように降るドル札の中、大きな笑顔でガッツポーズを取っているお兄ちゃんのイラストがあった。そして そこに手書きで矢印が引かれ、「This is you」と書かれていた。
この盗難事件を知った撮影仲間が、即座にGoFundMeという寄付金を集めるWebsiteを使い、Face Bookを通して業界仲間を含む様々な人々に声を掛け、$2500をゴールに資金集めをしていたのだ。
Mr. Hubbyと私は全く気付いていなかった。
サプライズということで進めていたらしいが、
それに功を指したのは、
二人とも Face Bookをやらない、という事実。
なので、誰かから直接言われない限り、知る由はなかった。
カードには発起人の友人による、心温まる思いやり溢れるメッセージが書かれていた。
「I know how difficult free lance work can be to earn a living. I really appreciate all of the help you've offered me and all of the work you've done on my projects. You've been a fantastic friend. So I wanted to do a little something to give back to you. Apparently a lot of people feel the same way I do!」
Mr. Hubbyがどんな風に彼からこのカードが手渡され、どんな風に事の説明を受けたかを話してくれた。そのヤツの目には涙があふれていた。アタシも もう涙が止まらなかった。
なんてことだ。
Mr. Hubbyの知らないところで 多くの人々が ヤツの為に動いてくれていた。
なんてことだ。
私は自分の事のように嬉しかった。
$10、$20と小さい金額ながらも、沢山の人が寄付をしてくれていた。中には$500という大金を出してくれた人もいた。知らない人達も数人寄付してくれていた。最終的にゴールの金額を飛び越えて、$4,000まで上っていた。
なんてことだ。
「最悪!!!」と思う事が起こった。
そして、その後すぐ めちゃめちゃ嬉しい事が起こった。
なんだったんだ。
ミラクルが起こったとしか思えない。
人々の「気持ち」が嬉しかった。
彼らの愛情、思い、が嬉しかった。
The universe was working out for us.
私たちの知らないところで。
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