6月25日、朝10時15分に病院入り。
まずは、放射線の医師がウルトラサウンドで、再度腫瘍の場所を確認し、外科医がオペの際にわかりやすいように、ワイヤーを通す。まるで旗のように。腫瘍はここでっせ、と。
私のおっぱいから 針金がぴろりと出てる。
そのまま 違う部屋に移り、X線写真を撮り、ちゃんとワイヤーが腫瘍に刺さっているかを確認する。
それから オペが行われる階に移動。
オペ前の準備室に入り、すっぽんポンになって オペ用ガウンに着替える。
おしっこを取った後、ベッドに横になる。オペの時間になると、たぶんこのベッドで連れていかれるんだろうな。
壁にかかっているWhite boardに 「Welcome Kyoko!」と書かれ、今日のお世話係のリストが挙げられていた。採血する人、看護婦、看護夫、麻酔課の医師、そしてオペを行う外科医。
最初に採血が行われ、その後看護婦が、血圧、脈を測り、点滴用の針を刺す。次に看護夫が 点滴にリラックスさせる液体を取り付ける。部屋にあるテレビをつけると Sex and The Cityが放送されていた。ちょうどSamanthaが乳癌になり、最初はポジティブに構え「Cancer is hilarious」なんて言ってたものの、いろいろ体験して行く中で、最後に「Cancer is not so hilarious after all」と言うエピソードだった。なんちゅう タイミング。
テレビをAmbianceのチャンネルに変え、静かな音楽をかける。
もう1時50分。オペの時間まで後10分。
リラックス効果の点滴をしているせいか、あんまり ナーバスになっていない。
と思っている所に、外科医のDr. Aliabadiがすっかりオペ用の装いで部屋に入って来た。
「How are you doing?」
「I am doing well, Doctor」
「Tell me what you are going to do today」
Dr. Aliabadiが、私が今日の手術がどういう手術であるか、私自信がきちんと解っているか、確認している。
「I will have a lumpectomy and sentinel lymph nodes biopsy. And even though we find that the cancer has spread into lymph nodes, we won't remove any more of the lymph nodes」
腫瘍部分の摘出をし、リンパ腺に転移しているかどうかの検査はするが、例え転移していたとしても、転移しているリンパ節を摘出することはしない。これが、私とMr. Hubbyが 沢山のリサーチをし、資料を読み、ドクターと話し、自分の心の声を聴いた結果の決断。
「Ok, You got it.」Dr. Aliabadiが真っすぐな目で私を見る。「It's gonna be ok. Everything will be fine.」私と同い年の女性のDr. Aliabadi。とても誠実で強い眼差し。
Mr. Hubbyが Dr. Aliabadiにリクエストする:
例え麻酔で意識が不明になっていたとしても、身体や脳は音や話声を聞いているものだから、オペ中に、リラックスする音楽をかけて欲しい。それから オペ中の会話も ポジティブな言葉を使って欲しい。
Dr. Aliabadiは「もちろん!音楽は麻酔の医師に言ってくれれば、彼がどんな曲でもかけてくれるわ。それから 私は手術に入ると 禅モードになるから とっても静かで余計なおしゃべりなどないから心配しないで。」
彼女の笑顔が温かく、眼差しがまっすぐで、安心感を与えてくれる。
Mr. Hubbyが私の手をギュッと握りながら、「She is a good doctor」と言う。なんだか 涙が出てきちゃった。
Dr. Aliabadiが部屋を出た後、麻酔の医師が入って来た。
麻酔の医師のもう一度 オペ中にかける音楽のリクエストをし、最後の準備に入る。
麻酔の医師がこれから行う事の説明をする。点滴の管に麻酔の袋を取り付ける。その管を既に刺してある点滴用の針に繋げる。
次の瞬間、私は術後のリカバリールームに居た。持参したスポーツブラを着せられ、アイスの袋を右わきに抱えていた。
手術は終わっていた。はやっ!
目覚めた私のベッドの脇に、先の看護夫とMr. Hubbyがいた。
全て上手くいった。手術は成功だよ。リンパへの転移はなかったよ。It is all good now.
よかった。転移していない、これが一番安心した。本当によかった。
麻酔が少しづつ切れて来ると同時に、痛みを徐々に感じるようになってきた。
看護師の勧めで痛み止めを一つ飲んだ。そしたら またノックアウト。こてっと2時間ほど寝てしまった。
再び目が覚めた後、ゆっくり着替え、立てるかどうか確認し、皆に付き添われながらトイレに行った。おしっこが青い!リンパの流れを確認するために注射した青い液体がそのまま おしっことして出て来た。
車椅子で 病院の玄関まで運ばれ、Mr. Hubbyが乗り着けた車に乗り込む。車いすの移動で吐きそうになった。貰ったおぶつ袋におえー、ってやったけど、何も出てこなかった。
今から家に帰れると思うと嬉しかった。よく入院している患者さんが、早く家に帰りたい、という気持ちがわかった。と言っても 私は脅威の同日退院なんだけど。
朝10時半に入って、夜の7時に病院を出る。オペ自体は約1時間半だったけど、1日仕事だった。
皆の愛の念力と祈りで、無事に終わりました。
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